女性AGA治療薬（スピロノラクトン、ミノキシジル）の効果、副作用とは？医師が解説
監修：提携医療機関医師
薄毛に悩む女性は少なくありません。しかし、薄毛に関する治療薬や方法についての情報が不足しているため、多くの女性が適切な対策を取るのに苦労しています。この記事では、女性の薄毛治療について、主にスピロノラクトンとミノキシジルという薬に焦点を当て、それぞれの効果と副作用について詳しく解説します。
薄毛に悩む女性とは？
薄毛に悩む女性の数は意外にも多く、その割合は約10％とされています。男性の場合、薄毛が顕著になることがよく知られていますが、女性も同様に薄毛に悩むことは珍しいことではありません。このお悩みに対処するためには、適切な治療方法を見つけることが重要です。
女性の薄毛治療において、主に使用される薬はスピロノラクトンとミノキシジルです。それぞれの薬には異なる効果と副作用があり、適切な選択をするためにはこれらの情報を理解することが不可欠です。
スピロノラクトン
スピロノラクトンはもともとは利尿薬として使用される薬で、過剰な水分排出や高血圧の症状を改善するのに効果があります。しかし、女性の薄毛治療においても一定の効果が期待されています。
スピロノラクトンは抗男性ホルモン作用を持ち、これによって男性ホルモンの影響を抑制します。女性もわずかながら男性ホルモンを分泌しており、ホルモンバランスが崩れることで薄毛が引き起こされることがあります。スピロノラクトンの服用により、男性ホルモンの影響が軽減され、正常な髪の成長サイクルが回復することが期待されます。
スピロノラクトンは薄毛の予防だけでなく、ニキビ治療やさまざまな女性特有の疾患にも応用されることがあります。しかし、利尿薬の一種であるため、心臓に問題がある場合などは使用が制限されることがあります。医師の指導のもとで使用することが重要です。
ミノキシジル
ミノキシジルは発毛効果が期待される薬剤です。元々は高血圧治療の一環として開発されましたが、偶然の発見から薄毛治療に応用されるようになりました。
ミノキシジルは頭皮に直接作用し、毛包の細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することで、髪の成長を促します。ミノキシジルの効果を実感するには通常、約3ヶ月から半年程度の時間がかかることがあります。
ミノキシジルには内服薬と外用薬の2つのタイプがあります。内服薬の方が効果が高いとされていますが、内服薬の場合、めまい、動悸、胸の痛みなどの副作用が報告されており、心臓に疾患がある場合は注意が必要です。一方、外用薬の場合、頭皮に直接塗布するため、副作用のリスクは比較的低いとされています。
市販の育毛剤と処方薬では何が違うのか？
市販の育毛剤と医師によって処方される薬剤との違いについても考えてみましょう。市販の育毛剤は一般的に手軽に入手できますが、効果については個人差が大きいと言えます。育毛剤は医学的根拠のない商品も流通しています。ご利用の際は、ミノキシジルが含まれている発毛薬であるかなど、きちんと成分などを確認の上、利用するようにしましょう。
一方、医師が処方する医薬品は、医学的根拠のあるものが処方されます。発毛効果について個人差はありますが、薄毛改善したい場合は、医師が処方する医薬品で治療するようにしましょう。
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お悩みの方は是非お気軽にご相談ください。
参考文献
・スピロノラクトン添付文書：https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2133001F1603_4_03/